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今日は何の、映画を観る?
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消えて失くなる前に。

ばーどまん あるいは(むちがもたらすよきせぬきせき)

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』を観た!
原題:『BIRDMAN OR (THE UNEXPECTED VIRTUE OF IGNORANCE)

ヒーロー映画『バードマン』で人気を博したリーガン・トムソン。
しかし今やその名も、ハリウッド界から消えかけていた。

ブロードウェイで舞台の脚本・演出・主演を務め、
なんとか成功させようと躍起になる。

過去の名声、栄光が輝きを失う前に。
これはひとりの男の、返り咲きを目指した物語。

そう、ヒーロー映画を主演した男に限った物語ではない。
だからこそアカデミー賞作品賞のはずなのだが、
脚本賞も受賞した、“こんなストーリー”
よく映画化したよねっていう、驚きによる評価なのかもしれない。
つまりなんか、ストレートじゃない。
アカデミー賞会員、
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督のこと好きすぎでしょう。

モヤモヤするけれど嫌いになれない作品

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確かに映画界はもがいてる。

ヒーロー映画の大ブーム再来に乗っかって、
大金をつぎ込んで作れば儲かるかというと、
思いの外、観客の心を掴めなくて滑ったりする。

映像技術がどんどん高まることで
画面的に面白い映画が撮れるが、
映画の作り手のプライドとして、
やっぱり物語そのものや、骨太な撮影で勝負したい。
でも結局、観客の理解が得られなくて滑ったりする。

観客のうつろげな嗜好と、作りたい映画の方向性と、
興行成績との負のトラアングル
ぐるぐる回っては、迷走している。

映画は時に、一斉を風靡して去っていく。
その一過性が、本当の名作を映画史に埋もれさせる。
本当に評価されるべき作品が、何が何だかわからない。
映画が大量生産されていることも、原因かもしれない。

どうにかここで、歯止めをかけたい。
ばーどまん あるいは(むちがもたらすよきせぬきせき)
ヒーロー映画の暗躍を、歓んで掲げたい。
だからこそ、“目利き”の観客は、
“知ってる風”の作品を選びたくなるんだ。
この映画が真の意味でシュールなところに、期待を込めたんだ。


キャスティングでそもそも、
“知ってる風”の観客の心を掴んだだろう。
このキャスティングは酷い。良い意味で本当に酷い。

本作主演のマイケル・キートンは実際に、
ばーどまん あるいは(むちがもたらすよきせぬきせき)
バットマン』(1992)でバットマンを演じたヒーロー映画主演役者だ。
アメコミ映画に疎い私にとっては、
クリスチャン・ベイルのバットマンでその経歴が掻き消えているに近い。

バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』(1997)で
同じバットマン役を演じて大コケした、
ジョージ・クルーニーが本作の主演を務めても、何か違う。
マイケル・キートンだから、痛烈なのだ。

そして助演のエドワード・ノートンの役柄にも注目してほしい。
ばーどまん あるいは(むちがもたらすよきせぬきせき)
アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』で
ますます盛り上がるマーベル作品から
“落とされた”経緯と重ねて欲しい。
エドワード・ノートン好きの私は
目も当てられなかった(←バッチリ観てる)

キャスティングから既に、ウケ狙いが始まっているのだ。
映画アワードに、キャスティング賞があったなら、
間違いなく最優秀賞を受賞するだろう。


映画本編は、そうした遊び心をふんだんに盛り込みつつも、
誰しもが陥るだろう、過去の栄光にすがる人を描いている。

『バードマン』というヒーロー訳を射止め、
大儲けをし、メディアからひっぱりだこになったリーガン。
その当時、彼の名を知らない者はいなかった。
それらを“失う”とは、どういうことか。

自分が世界から消える。
ばーどまん あるいは(むちがもたらすよきせぬきせき)
それは“死”に類似する。
彼は目の前に、死が見えた。

パニックに陥っている人間は、
はたから見れば狂気に映り、滑稽にも感じる。
傍観する観客の口角は、意図せず上がる。
しかしその反応こそ、自分と主人公とを
必死に切り離そうと努めている証拠なのではないか。
認めたくない程の“共感”が押し寄せる。

ひとりの人間として残りたい。

それ以上でもそれ以下でもない、切実な願い。

でも、その“残り方”に、
凝り固まった理想が無意識にある。
無いつもりで、有る。それが人間。


ヒーロー映画もヒーロー映画で、
今、生き残りに必死だ。
最近目立つ“手立て”は、
演技派俳優の起用
大根役者でも務まったヒーロー映画の時代は終わったのだ。
もちろん、昔のヒーロー映画の出演俳優で、
“自分は大根”と思っている人は少ないだろうけれど。

本作では、近年、そうした演技派俳優が、
こぞってヒーロー映画に出演していることを、
俳優名を挙げて紹介している。
それがまた笑いを誘うのだ。
しかも某鉄男を演じている俳優は、
ライフ・イズ・ベーズボール』(2005)でマイケル・キートンと共演している。
あの時、その俳優は低迷期であったが、そのまま名が消えることなく、
今や映画史に残るほどの大復活を遂げているからこそ、
「俺と何が違うんだ」という悲痛の叫びも聞こえる。


何もここまでマイケル・キートンの経歴を
貶めて書く必要もないのだけれど。
本作のキートンの演技は本当に素晴らしかった!!
ばーどまん あるいは(むちがもたらすよきせぬきせき)
すっごいイイ顔してる!!!
博士と彼女のセオリー』でスティーヴン・ホーキング役を演じた
エディ・レッドメインくんが主演男優賞を受賞したわけだけど、
タイミングが悪かったとしか言えない。
エディくんがいなければ、キートンが間違いなく獲得していた。

精神的なものからくる、顔のこわばりが、あまりにリアルで、
キートンのホンモノの表情なのではないかと心配になるほどだった。
気迫のある演技だった。凄かった。


助演男優賞には、エドワード・ノートンもノミネートされた!!
ばーどまん あるいは(むちがもたらすよきせぬきせき)
彼も何を踏み違えたか、演技力があるのに、
ちょっと映画界では扱いづらい存在になっちゃって、お仕事がガクッと減った。
その中で、遂にまた評価される機会がやってきたかと思うと嬉しい!!
しかも、等身大?と思えるような役で・・・!!←どういう顔をすればいいかわからないの

エマ・ストーンも、ただの旬の女優としてでなく、
助演女優賞ノミネートでハクをつけてきた!
ばーどまん あるいは(むちがもたらすよきせぬきせき)
個人的には、「もうひと越え!」という気持ちもあるけど(女優に厳しい?)、
彼女のキャリアにおいても、挑戦的な役柄だったと思う。
“まとも”なキャラクターではあるんだけど、
この作風、撮影手法を経験したことはデカいよね。

デカいといえば、エマは眼が大きすぎてちょっと恐い・・・!
かわいいんだけど、かわいいんだけど、時々ギョッとする。
でも彼女は、何かこう・・・見た目だけに頼ってない、
特異なオーラがある感じ。


大好きなナオミ・ワッツももちろんいい演技だった!!
彼女が助演女優賞にノミネートされてもよかったと思う!
「惨めな思いをしてきた」女優の役だけど、
これもナオミ・ワッツの経歴に重なる部分がある。
彼女もけして華々しい道を歩んできたわけじゃないんだよね。


ビトレイヤー』や『ディス/コネクト』等で
いい演技をしているアンドレア・ライズボローも出演。
彼女ももっと名が売れていいんだけどなぁ。


しかしここまで名優の出演や渾身の演技を見せられると、
ザック・ガリフィアナキスは浮いちゃうね・・・!
彼はコメディアン基質が強すぎて、狙いすぎてしまう。
ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』とか
コメディ映画であればバランスとれる妙な間の取り方も、
この映画においては白々しくなってしまう・・・!


本作、最も注目すべきは“撮影力”。
ばーどまん あるいは(むちがもたらすよきせぬきせき)
撮影賞を受賞した、エマニュエル・ルベツキ(写真左)の仕事っぷり、必見!

彼が撮影監督を務めればほぼノミネートまたは受賞なのだが。
つまりは長回しがすごすぎて、
作品が“逃げ腰でない”ことが嫌でもわかる。
俳優たちの鬼気迫る演技が無理にでも引き出されてしまうし、
小手先の編集が適わないから、
観客に与える精神的な圧力も全然違う。

ギャザリーにて、
今回『映画の真価を見せる!【撮影力】に注目の映画まとめ!』として、
エマニュエル・ルベツキをはじめとした、
撮影力に関する映画のまとめを書いたけど、
私が本当に言いたかったことは、
長回しされる役者のプレッシャーったらないよね、ということ。

舞台で鍛えられた俳優なら
一発本番があたりまえだろう、と思うだろうけど、
演技している間に、あんなにカメラにぐるぐるされちゃあね。
カメラも計算づくで動いているだろうから、
次にどういう動きだったか、全部を頭に入れなければならない。
(役者にとってそれは当然なんだろうけど、
 映画俳優にとってはやっぱり特別な撮影方法だと思う!)
観ていて息が詰まる

それを演りきった、共演者たちとスタッフたちのチームワーク。
映画の内容とは別の感動が、ブワッとおこる


監督は、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。
21グラム』は凄く好き。
でも『バベル』はちょっと苦手。
(9年前に観た以来だからまた印象違うのかな~)
アモーレス・ペロス』、早く観なきゃな~。『BIUTIFUL ビューティフル』も。

作品賞、と思うと、あんまり得心がいかないのだけど、
このあと! ネタバレあり !でちょっとだけ語ること含めて、
どこかすっと飛んだ世界観と妙なリアリティが、
癖になる作品でもある。

いずれにしても2014年度のアカデミー賞作品賞。
観ない理由はない。

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レビューはまだまだ続きます。お時間あればこの先もどうぞ!
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! 以下ネタバレあり !






鑑賞してから数週間が経った。
最近観てから書くまでに時間を置き過ぎていけない。

とはいえ、「つまりなんだったの・・・?」について、
ふと思いつくことがあるのは良いこと。



あの超能力の意味は?
ばーどまん あるいは(むちがもたらすよきせぬきせき)
今でも明確なひらめきはないのだけれど、
「それだけのすごい力秘めてるのに、
なんでそんな些細なことにこだわってるんだよ・・・!」
ってことなのかな。
人がこだわることって、
他人からみたら実はたいしたものじゃないでしょ?
誰から何を言われようったって、
個人の価値観はそうそう覆るものじゃない。


リーガン・トムソンは本当に本当に、
役者として成功者でありたいんだよね。
パンツ一丁で走り回って、ネットで注目されても、
そこに自分の価値はないとわかっている。
一過性のものなど、何も満たさないと、十分知っている。
これが彼のこだわり。純粋に目立ちたいのとは訳が違う。

エドワード・ノートンが演じた、マイク・シャイナーという役(役者)と、
またコレ方向性が違う。
ばーどまん あるいは(むちがもたらすよきせぬきせき)
確かに彼は映画界で演技が評価されている。
しかしそれは、彼がする奇怪で独創的な行動によるギャップもある。
トムソンはそういうので満たされたい俳優でもない。

本当であれば、人間ってもっともっと楽な生き方ができるはず。
でも結局、どうしても得たいものがあって、
手に入れないなら、入るまで、
そのもどかしい気持ちの中で生きなければならない。
水深が高すぎて、アップアップしながら水面に顔を出して生きてる感じ。
思うように体が動かせなくて、気持ちだけが急いてしまう。



さて。重苦しい話はさておき、
エドワード・ノートンだけやっぱり最後語らせて。

や、文字にして語れることは少ないのだけど、
ばーどまん あるいは(むちがもたらすよきせぬきせき)
変な役でよかったああああ
でも、名優ほどなんか、こういう癖のなる役者なんだろうなって思うと、
どうかエドワードの素じゃありませんようにって思うしかない!!
エドワードはそういう、変質者タイプじゃないんだろうけど。
メソッド俳優でもないと思う。
単に口うるさい出演者、という感じ。
共演のしづらさは、なんかあるんじゃなかろうか(笑)
ミニミニ大作戦』や『インクレディブル・ハルク』が良い例だろうね。

ズタボロ言ってるけど、やっぱ好きだ、エドワード
映画観ながら、何が何でこんな惹くのだろうと考えてしまった。
ばーどまん あるいは(むちがもたらすよきせぬきせき)
今回思ったのは、このたるっとした肌質が理由かも!!(何言ってんの)
変に艶かしさを感じる!!

そしてやっぱり演技が上手いんだけど、
だからダサっぽく演じることもできるんだけど、
ばーどまん あるいは(むちがもたらすよきせぬきせき)
でもなんかカッコイイけどカッコよすぎないっていうか!!
そもそもじいさん顔なんだよ・・・!!

ファイト・クラブ』のようなかわいさが、
本作で観られるものでもないし、
それでも「うおーー」って惹かれてしまって。
久々、賞レースに関わる作品に出れてよかったね!!って思うのだった。
これを機に、またいい作品にたくさん出るようになってほしいなぁ。
前よりずっと、表情が柔らかくなったし、
彼はきっと、以前よりずっと、良い共演者であるはず!!
あんた「エドワードのなんなのよ」って感じだけど。

全文通して、“知ってる風”に語るのでした。

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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画





コメントならびにTBありがとうございました!
ブログを移ってもご訪問していただいたことに深く感謝です!

おっしゃるとおり、この映画のキャスティングはいい意味で酷い!
「この監督って鼻持ちならない嫌な奴だろうな~」
と勝手に想像しておったのですけど、
どうやら想像どおりの嫌な奴だったみたいです(笑)
こんな意地悪なキャスティングを普通しますかね?
キートンなんてあまりにハマりすぎて痛々しいぐらいでした(涙)
一度はつかんだ栄光を忘れられない焦燥。
理想の自分と現実の自分との乖離。
みんなに愛されるために選択した最後の手段。
ラストのエマ・ストーンの清々しい笑顔の先にあるもの。
バッドエンドなのかハッピーエンドなのかわかりませんね。
まあ飛ばないよりは飛んだほうがいいのかもしれませんけど…。

ボクも心機一転あらたなブログで頑張っていきますので、
これからもどうぞよろしくお願いします!
それではまた♪
【2015/05/03 23:39】 URL | スパイクロッド #-[ 編集]

>>スパイクロッド さん

こちらこそ、わざわざお立ち寄り&
新ブログへのリンク、ありがとうございます!!

すっごく意地悪なキャスティングですよね・・・!
スパイクロッドさんがいうように、
オファーを受けるほうも受けるほうですが。
自虐的になってでも仕事がほしい、彼らなのかもしれません(涙)

それでよかったのか?と
思えるモヤモヤ具合が、
“わかった風層”にきっとうけるのでしょう・・・。


引き続き、よろしくお願いいたします!!
またイラスト見に、ちょくちょく遊びに行きます!!
【2015/05/05 17:02】 URL | なるは #-[ 編集]















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