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今日は何の、映画を観る?
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本を瞬く。

せんすいふくはちょうのゆめをみる

潜水服は蝶の夢を見る』を観た!

それは突然のこと。
眼が覚めると、
意思の届かぬ肉体になっていた。
左目に託す「声」
ジャン=ドミニック・ボビーは一冊の本を書(またた)く。

もし、自分の体であったら。
私は潜水服と、どこまでも沈むと思う。

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観たい観たい観たい。
ずっと思っていた作品だのに、後回し…。
なぐさめのほうしゅう
007 慰めの報酬』のマチュー・アマルリックを観て、
ようやく観る決心がつきました。

ジャン=ドミニック・ボビーは実在した人物。
『ELLE』の編集長をバリバリこなし、
多くの女性に愛され、知人も多かった。
本人はこの人生に若干ながら
不服を感じているようではあったけど、
他人の眼から見れば、華やかしい人生。

それが、突然。
目が覚めると、光を追えるのは眼球だけという、
恐怖を超えた絶望の淵に立たされた。
植物状態とは反対に、意識だけははっきりしている状態。
ロックドイン・シンドローム
その意識は、深く閉ざされた場所に閉じ込められる。

コミュニケーションを図る術は、残された左眼のみ。
医師たちにより推された、
唯一の「声」を習得することから始まる。
せんすいふくはちょうのゆめをみる
使用頻度の多い順に並べられたアルファベット。
対話する者はそのアルファベットを読み上げ、
ジャンが一度眼を瞬いたアルファベットを繋げ、言葉にする。
地道で歯がゆいコミュニケーション。
しかし、彼とその相手には、それが全て。
彼と、そして彼とのコミュニケーションを望む者たちは、
根気強く「声」を習得していく。

そして紡いだ言葉の数々は一冊の本を成す

それまでの、ジャンと人との、映画。

オリジナル予告なのでフランス語ですが。

想像と記憶が彼を一人の人間であらせる。
あなたは自分であれますか。

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レビューはまだまだ続きます。お時間あればこの先もどうぞ!
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海外ドラマ『ER』でもこういった患者の視点で作った話があった。
突然倒れ、そのまま意識を失い、
次に目が覚めた時には、「孤独の極地」を知ることになる。
医師たちに投げかけられた言葉に応えるも、
コミュニケーションの上での応えにはならない。
体が動かせぬ以上、
他人に要望を伝え、してもらわなければならないのに、
医師たちは医学上の理解していても、
精神上の理解はなかなか乏しい。
それも当然。その状態の経験がないから。
互いが意思疎通の術を得るまでは、地獄だと思う。


そしてまた、当然行きつく思い。
「(死にたい。)」
脳卒中を起こした後、こうして全身麻痺に陥るのは稀とのこと。
昔であれば死に至るものだが、
発達した医学により命を繋ぎとめることは可能になった。
しかし果たして、患者はそうまでして生きたいだろうか

ジャンはどうにも考えたって、精神が強かったと思う。
私だったらこの状況を理解した時点で、
というより体が動かないという吐きそうな状況だけで、
精神が崩壊してしまうと思う。
唐突に訪れる拷問としか思えないだろうし、
大パニックを起こして「自分が消える」と思う。

この映画ではジャンの視点(というより視線)を丁寧に描く。
だから彼の視界をよく知り得るし、
頭を動かすことさえもできない鉛のような体を、
一身に共感することができる。
真っ先に、「死にたい。」と思うだろう。

でも瞬きでのコミュニケーションで
ジャンが医師にその旨を伝えた際、
女性医師が「失礼よ!」と怒ったシーンは印象的だった。
すっかりジャンの気持ちばかりに共感してしまっていたから。
でも周りだって辛いよな。
あくまで医者と患者の関係ではあるけども、
情が一切ない医者なんて、医者どころか人間じゃない。
あなたを助けたい、一緒に戦おう。
幸運にもそう思ってくれる人がいるのに、
その思いを無神経にも断とうとするなんて、失礼だよな。
体は動かなくても、精神は通っているんだから。

もう一つ、無神経をうまく描く手法が。
優しく温かい音楽(BGM)を、途中で切ることがたびたび。
人間にはタイミングってもんがある。
よく、「なんで今それを言うかなぁ」とか、
「今それをやるなよ」とか、タイミングが悪い時ってあるけど、
ジャンには全ての時間を他人に管理されているから、
ああ今この時!!が無神経にも破壊される。
それを作中に流れる音楽で上手に表現していたなぁと。

それからジャンの想像と記憶の世界
全身が凝るような映像から観客も唯一脱げ出せる時間。
その現実とイメージのギャップが『ダンサー・イン・ザ・ダーク』に似てるなぁと。
すごく至福な時間も、あくまでイメージであること。
そのアップダウンに揺さぶられるのは辛いけど、効果的。

あとは映像の、痛いまでの鮮明さ
外は天気が良いのに家から出れないあの窮屈さの、
何万倍もの濃度を経験する。
世界がいかに美しいかも知れるけど、
ジャンのような体であったら、
その世界から隔絶された気分になりそう。


監督はジュリアン・シュナーベル
今作で、カンヌ映画祭監督賞受賞。
DVDに同監督の『夜になるまえに』の予告が入っていて、これも興味深い。
主演は『ノーカントリー』のハビエル・バルデム
またこれも実話を扱っているようなので、観てみたい。

原作の、ジャン自身が瞬きで綴った自伝小説も読みたい。
映画を観たことで、言葉一つ一つが重く感じられるだろうな。


私のように気圧されずに。
一度は観た方が良い!!

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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画





こんにちは。
よかったですねぇ。CMとは大分違いましたが、満足でした。
こう、感動物らしからぬ、主人公の心境が好きです。どこか皮肉で、人生は素晴らしいと全面的におしていないのも好感がもてますし。

フランスらしい映画で、そうでしたねぇ。あの映像の鮮明さも映画を引き立ててましたよね^^/
【2009/03/15 18:17】 URL | 茶栗鼠 #-[ 編集]

>>茶栗鼠 さん

コメントありがとうございます!

そうですね。
変に感慨深くない主人公。
皮肉なところがリアリティがあって、
キレイゴトばかりじゃないのが良かったです。

でも映像はすごく綺麗。
苦痛とその解放の入れ替わりに胸をうたれました。
【2009/03/15 18:27】 URL | なるは #-[ 編集]















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