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【陽面着陸計画】映画知ろうとレポ!今日は何の、映画を観る?
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影。それは光があればこその。

かげむしゃ

影武者』を観た!

saiさん(『映画鑑賞の記録』)と
Mardigrasさん(『シネマ・イラストレイテッド』)の、
9月4日(金)~9月6日(日)の3日間で同時に
今度は『影武者』を鑑賞をしようという企画に参加させて頂きました!

黒澤作品大好き!な私ですが、どっか気持ちが曲ってて、
三船敏郎出てないんだ…?と思うと急にテンションが下がってしまいます
なので実は、『影武者』をちゃんと観たことがないという失態。
この機会に腰を据えてしっかり観れました

やっぱり黒澤!
内容も撮影力も終始唸ります
仲代達矢も素晴らしいな!


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私たち物質は光だけでは何も見えないし、
影だけでも当然何も見えない。
というか見れないどころか、在れない
光と影の均衡があるからこそ在れる。
(このテーマで中学生くらいから練ってる話があるけど、結局形になってないな~…)


しかし影武者は。
光があってこその、影。
映画内のセリフで言えば、「人あればこその、影」
光がなければ価値のない存在。
確かに生きたはずなのに、
それはあくまで光の影でしかない。
幻にも似た存在。

この間観た『プレステージ』という映画では、
「替え玉」は力を持つという、おもしろいエピソードがあった。
自分が影であるが故に、逆に光を支配する力もあると。
光に成りかわり、影が光の人生を乗っ取る。


この映画では冒頭に、
その可能性を完全に否定している。
武田信玄(仲代達矢)と長年その影武者を務めた弟・信兼(山崎努)、
そして処刑を前にして影武者として雇われた罪人(仲代達矢)。
この3人の会話のシーンは冒頭ながら印象的。
信玄に瓜二つの罪人の男は
こうして信玄と会うのは初めてだった。
山のような人間性。
おおらかで、希望を纏った存在。
無頼で粗暴な男であったが、
その類稀なる信玄にすっかり一目惚れする。
それをセリフには表現せずに、
信玄が座を立つ時に深々と頭を下げる行動で見せる。
罪人である男を、一人の人間として認めてくれたことへの感謝の念。
信玄に仕えようと決める。


なんでこの展開に「無理」や「突発」を感じず、
重要な伏線として認識できるんだろう。
それもやっぱり黒澤監督の腕なんだろうな。


時は戦国。
かげむしゃ
やっぱり歴史物はおもしろい。
先を知っているからこその悲しみ。切なさ。
そして、それが事実であったことの重み。
多くの武士が国がため動き、
多くの武将が国を求め統べる。
時代を築き、翻弄された人たちの姿。
こんな小さな国の中で、あらゆる力と力がひしめきあってたんだからね。


この映画は内容だけでなく、
やっぱりそのスペクタクルさにあると思う。
今や金があったって、このスケールには勝てない。
CGで補えちゃうシーンばかりだからね。
大人数をワサワサ動かして撮影する手間は想像を絶すると思う。
ロケーションも素晴らしい。
かげむしゃ
この「天気」が来るまで、待ちに待ったんだろうなーとか。
あとかなり遠くから撮影してると思った。
カメラと距離があるから、俳優もより演技に集中できるんじゃないかなー。

最初の階段下りのシーンや、
夜の戦のシーン。
たくさんの人と馬、そして天気を扱う難しさ。
画面というキャンパスに絵を描くように、
膨大な時間を費やして着実に撮影を進める。
その、撮るという心が本当に強い。


そしてとにかく無駄なシーンがないなーと感服。
や。シーンというよりセリフ?
語り過ぎない。説明しすぎない。
ユーモアを交えつつ、会話は自然。
昨今の、取って付けたようなセリフは見当たらない。

役者が下手に感じるのって、
セリフの所為な気もする。
この状況でこんなセリフ言わないよ!なんてセリフを、
しゃべらされる役者も大変だよね。

故に今作は、役者が光る
(黒澤作品の役者が光るのは今作に限らないけど。)
徳川家康や織田信長に素人を抜擢。
かげむしゃ
徳川はまぁおいといて、織田信長役の人(隆大介)はうまかったな。
つか、かっこいい。織田信長にぴったり。
大滝秀治もうまいな~と思った。
けど一番ビックリしたのは、
かげむしゃ
やっぱり仲代達矢!
だって『椿三十郎』とか『用心棒』とか、
雰囲気はあるけどちょっと下手くそだったもんね
やっぱり良い監督、良い役者に囲まれると、
うまくなっていくんだね~っ
余裕と箔のある演技に、感動した!



3年の歳月。
光の重みに押し潰されそうになりながらも、
影として光になった。光に生きた。
一度失った人生であったが、
子を愛し、人と笑い、
一武将として苦楽を過ごした。
影武者は光として在れた

しかし、真に光を失った時。
影はまるで虚偽のように。穢れのように。
光を失えば、影であることも許されない。
時代に流された一人の男、海に漂う。


なかなか影武者という人生を歩む人はいないだろう。
選び抜かれた光を、更に選び抜かれた影として務めるのだから。

ただ、これまでの自分という存在が、
影ということを忘れて光になれるのではないかと
無意識に期待していた結果が、
完全に人類から廃絶されたか孤独。
無という存在であったことに気づいた重さ。
そこに見所があると思います。



個人的にはやっぱり、
七人の侍』とか『羅生門』とかの方が秀作だと思うけど。
180分(!)という長編作ですが、
人生の内一度は必ず。


ところで。
かげむしゃ
こういう現象ってあるんですか?


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テーマ:邦画 - ジャンル:映画





すごい!すごい!
昨夜書いていてくれていたなんて!
今知ってビックリで、とても嬉しいです☆ 
一緒に見てくれて、ありがとう~☆☆☆

そして記事の内容がまた、着眼点が良いというか、うーん、感覚研ぎ澄まされているねえ!!!

私は女優の扱いの酷さにガックリしてしまっているのですが(gooに書きました)
もちろん男優の面々は素晴らしいと思います。なるはさんの書かれた通りです!

コメントもうまく書けませんが、この記事、すごいと思います♪
またいつか、ご一緒に~~♪ 本当に有難う☆
【2009/09/07 16:26】 URL | サイ #jSBoJ0Ww[ 編集]

>>サイ さん

コメントありがとうございます!

折角参加させて頂いたのだから!ということで、
当日に書かせていただきました★
わざわざお立ち寄りありがとうございます!

私はすっかり女優さんについては目を置いてなかったですが、
サイさんは書かれていましたね~、しっかり。
既に映画レビューは読ませていただいていますが、
また改めて足を運ばせて頂きますね!


今回も、同時映画鑑賞の会に誘って頂きまして、
ありがとうございました!!
【2009/09/08 22:08】 URL | なるは #-[ 編集]

なるはさん(^^)こんばんは!
いつもありがとうございます。

自分もサイさんからお誘いを頂きまして「影武者」を鑑賞いたしておりました。(^^)

しかし、恥ずかしながら今回キチンと黒澤映画を観るのは初めてというくらいでして、こうした鑑賞会はとても楽しく、大変感謝しております。

正直、長いとも感じましたが自分も歴史ものは好きなので満足の内容でしたね。
特に合戦のシ-ンは斬新な描写だと感激してしまいました。

またそれぞれの登場人物の心理、葛藤や苦悩も感じる事が出来てただの戦国ものになっていないのが素晴らしいと思いました。


自分も黒澤監督の妥協しない演出の事は聞いているので空を映すシ-ンだとか、きっと何日もかけて納得する絵を撮ったのかなぁなんて思いながら映画を観てしまいましたよ!

なるはさんのレビュ-も素晴らしいですね!

行く手を阻むかのようなあの虹はとても綺麗でしたが、実際にあるのでしょうかね~(^^)

またお邪魔させて頂きますね!いつも本当にありがとうございます。
【2009/09/09 19:18】 URL | ユウ太 #-[ 編集]

>>ユウ太 さん

こちらこそいつもありがとうございます!!

ユウ太さんも参加されたんですね~♪
私も人のこと言えた義理ではないですが、
いくつか黒澤作品を観てきましたが
やっぱり良いですね~★
特に三船敏郎が!(やはりそれか。)

1980年の作品にして、斬新!
ごもっともです。
時代じゃないんですよね。
過去にも斬新が輝いてますよね。

>何日もかけて納得する絵を撮ったのかなぁ
やはり思いましたか?
あまりに美しいロケーションばかりで、
きっととことんこだわったんだなァと感じますよね!
あの虹は家族と討論したのですが(笑)、
嘘じゃないのか?という母の意見と、
黒澤だからホントだ!という父の意見がぶつかりましたね~(^_^;)
個人的にはホントであってほしいところです。
【2009/09/09 22:13】 URL | なるは #-[ 編集]

こんにちは、記事じっくり読ませていただきました~。

>三船敏郎出てないんだ…?と思うと急にテンションが下がってしまいます
これ、すごーくよくわかります!逆に、黒澤監督じゃない三船敏郎の出演作もいまひとつというか、やっぱり、黒澤監督が三船敏郎を使って描くキャラクターや世界がいいんですよねぇ...

>今や金があったって、このスケールには勝てない。
CGで何でもできちゃうようになってきたので、こんなに人を使った映画は、きっともうありえないんでしょうね...なるはさんのおっしゃるとおり、お金のモンダイだけでなく、こんな大人数を自分のイメージどおりに動かすなんて難しいことをやろうなんて考える人は、もうほとんどいないような気がします。でも最近は、だんだんCGに目が慣れてきてしまってるのが、少し悲しいです...

それと虹は、、、私はお母さまに一票!です(笑)。
【2009/09/10 15:46】 URL | mardigras #-[ 編集]

>>mardigras さん

お立ち寄りありがとうございます!!

>逆に、黒澤監督じゃない三船敏郎の出演作もいまひとつ
ああ!それも思います!確かに!
やっぱり黒澤作品の三船が一番!!

>だんだんCGに目が慣れてきてしまってる
そうですね~。
だから映像勝負の映画は、
本当にCGがうまくなくてはゲンナリします…。

でも名作はCGが下手でも名作だったりします。
「当時」を思うと、すごいな~とか。
CGごときで潰れないのが名作だと思いますし。
眼が肥えたせいで、
観れる映画が狭まった気もしないでもないですが…v-393

mardigrasさんも母に同感ですかぁ…。
母の言い分では、
いくら1980年と言えど、
コッポラとルーカスが絡んでるだから
CGで作っちゃうわよ!…とのことです。
それ聞いて、黒澤がちょっとハリウッドに染まってしまったのかと寂しくなりました…;
あの鮮やか過ぎる虹色…作り物が正しいかもしれませんが、
なんとなく、黒澤だからこそ、ホンモノと信じたいところです…(>_<;)
【2009/09/10 23:30】 URL | なるは #-[ 編集]

おはようございます。
お祭り娘に遅れること二週間。
ようやく記事が書けました(笑)。

始まり方がいいですね。
黒澤ならではって感じがします。
「むかしむかしあるところに…」的なナレーションや字幕が入ると、
ボクなんかすぐに眠くなるので。
これでも黒澤作品にしては、
編集不足で冗長な部類に入るはずですけどね。

あと、仲代達矢を「下手くそ」と断言されてるのにビビりました(笑)。
そんな意見ははじめて聞きましたよ!
容赦ないなあ。
そう言われてみれば、あの抑揚に乏しい感じは、
下手くそと言えなくもないのですが…。
【2009/09/20 10:14】 URL | ケン #JkPZIk6.[ 編集]

>>ケン さん

いつもコメントありがとうございます!
返事が大変遅れてすみません…!

お祭り娘はお祭り娘が故に、
お祭りに乗ることだけ考えた末
なんだか何を言いたかったのかまとまってません;

仲代達矢って、下手くそじゃなかったですか?昔。
(また言ってる)
朴訥は朴訥でも芯がある朴訥と、そうでないのがあって…
『用心棒』や『椿三十郎』の時の仲代達矢は
まだ未完成な演技だったように思います。
もちろん雰囲気はありましたけど!
ただ三船敏郎と対面張れるのは
仲代のあのギョロ眼かなぁとも思います。

それがこの『影武者』でわーっとなりました。
歳の功も適ってか、すごく良い役者になっててビックリでした。
(今頃びっくりするのは、まるで邦画やドラマを
 観ないからでしょうね…;)
【2009/09/24 22:40】 URL | なるは #-[ 編集]















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  影武者   出演:仲代達矢 山崎努 萩原健一 監督:黒澤明 制作:昭和五十五年 日本 [DVDで鑑賞]       大甕のなか... 夢のもののふ【2009/09/20 09:01】

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