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今日は何の、映画を観る?
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映画のこと、まとめることに、なりました。
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そざい ギャザリー そざい

無秩序の統制。

えくすぺりめんと

エクスペリメント』を観た!

■求人■
報酬:日当1000ドル
期間:14日間
内容:囚人として又は看守として過ごす


命の危険性はありません。
人権侵害の可能性を
承知の上でご参加を。


そこは小さな小さな世界。
権力を与えられた者と、従う者。
ルールに則れば良かったのか。
ルールに逆らえば良かったのか。

人間の心のえぐい部分を傍観する。
否、これは抗いようのない本能か。

実際にあった実験に、
私たちは何を見る。


うんッ!
期待通りの面白さ!!

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======

こうなってしまうんだ。
きっとそれは知っていたこと。
でも信じたくなかったこと。


事実、歴史は何度も繰り返す。
人類が争うことは
一介の動物でしかないからか。
人類ならではの知能は、
本能を前にしては敵わないのか。


むしろ、知能がある分
その本能はタチが悪い。


それぞれの目的、欲望、思いを胸に。
えくすぺりめんと
男たちは簡単な面接と脳波の診断を受け、選ばれた。
彼らは選ばれた理由を知らないが、
14日後には大金が入ると思うと、気合いが入る。
えくすぺりめんと
ただ、何事もなく、14日間をやり過ごせばいいんだ。

「同等」だったなら、
なんとかなったのかもしれない。

しかし、閉鎖的な空間に
「役割」を与えれば、
均衡はいとも簡単に崩れてしまう。
えくすぺりめんと
人間の心は複雑だ。
それを表現することができるからこそ、
より複雑だ。
しかし、やることなすことは
ばかに単純だ。
「金」という利益に目がくらみ、
最も成功するだろう「歩み寄り」の手段を失う。

そして次第に彼らは
「目的」を忘れ、
目の前の快感に眩む。
本能。
抑え切れない衝動。
無秩序で統制されていく、
小さな世界。

実験を批難する前に、
実状を見よ。


これが人類の落度だ。

------

! 以下ネタバレあり !




実にわかりやすい作り。
初めに登場人物の生活環境や
性格を見せてくれたので、
今後の展開でどういう立場になるのかが
想像し易かった。

やっぱり注目すべきは、
えくすぺりめんと
フォレスト・ウィッテカーでしょう!!
彼の演技はもちろんですが、
この役の「豹変」がポイントですね!!

母親と2人暮らし。
フォレストが演じたバリスはきっと、
小さい頃から母親に虐げられて生きてきた。
彼にとって、それはとても傷つくことだけれど、
それが彼にとっての育った環境であるし、
母親から距離を置こうともせずに、
今この歳になっても女性と付き合ったりせず、
母親の世話をして暮らしていた。

「虐げられる」ことについては
当然鬱憤がたまっていたけれど、吐き出すところがない。

怪我をした母親を養うためにも、
今回のこの実験に参加し、大金を求める。


当初、選ばれた看守の中で
リーダー的存在だったのは、
この映画での私的HIT☆MAN
えくすぺりめんと
キャム・ギガンデット演じるチェイス。
生来俺様気質なので、
囚人たちを虐げるのはお手のモノ。

チェイスが囚人たちに課した「相応」の罰。
えくすぺりめんと
バリスはこの、チェイスの采配を見て、
囚人たちへの影響力を持つことに心を打たれる。
「支配」する側に立つ、快感。
満たされた欲望は、
更に渇望し、
彼の「狂気」はエスカレートする。

これまで力のなかった者が
力を持った時…、
心が弱い者はコントロールが利かない。
"気が狂っていること"、"自分の狂気"に気づけないほど
恐いものはない。


争いは好まない男、トラヴィス(エイドリアン・ブロディ)。
エクスペリメント
うううちょっと苦手なんだ、彼…
極力、拳は引っ込める。
不要な争いはなくして、
なるべく言葉で解決しようと努める。

彼の精神は好きだった。
でも「鼻につく」ことが、問題。
尤もなことを言っていても、
もう少し違う言い回し、違う態度だと
丸く納まることがある。

トラヴィスは「我」が強いので、
まともなことを言っていても、
「生意気」に見えてしまう。

こういう惜しい人っていると思う。
折角素晴らしい精神を持っているのに、
人を逆撫でさせてしまう。

盾突く者がいれば
さらに刺したくなる者もいる。

彼の態度は一部の看守たちの癇に障る。
反って火種を蒔いてしまうのだ。


だから私は、
ニックス(クリフトン・コリンズ・Jr.)の考え方の方が、
一番いいなって思う。
えくすぺりめんと
"事を荒立てないため"に、最善を尽くす。
自分にとって多少腑に落ちないことも、
相手がこれで満足するのなら
事が最小限の内に終息させようとする。

自分の権利や意見を主張することも大切だけど、
やみくもに、なにかにつけてワーワーしてもダメ。
「妥協」も大事。
これで相手が調子に乗るのも問題だけど、
14日間という制限もあったわけだし、
盾突けば盾突くほど、相手も燃えちゃうわけだから。
歯を向けてきてる者に、
歯を向けてもしょうがない。



最終的に、
我慢ならなくなった囚人たちの逆襲が始まる。
数で考えれば、看守よりも有利だったこともあり、
「金」より「尊厳」を求めて、囚人たちは団結する。

囚人たちが看守たちに襲いかかる。
看守たちも負けじと抵抗はする。
ようやく平等になったけれど、
まるで動物のように言葉を失って、
本能のままに争う。
なんとも見苦しい。

そして、研究者側からの判断で、
ついにその疑似刑務所の扉が開かれ、
彼らは閉鎖的空間から、青空が広がる元の世界へ戻る。
その時の、「悪夢から覚めた」かのような顔。
気づく。
小さな世界で彼らは、
何かにとりつかれていた。
眼の前のことしか見えなくなって、
憤怒と憎悪にまみれていた。
なんて「小さな醜い争い」をしていたのだろう。

これが、なんだなって思いました。
言うこと為すこと、争うことが小さい。
同じ党内の人間を批判し合うとか、
野党が与党をやみくもに批判し合うとか。
切磋琢磨とは違う、ただの足の引っ張り合い。
知能があるのなら、なぜ話し合わない。
全ての答えが0か1かのはずがないのに、
妥協案をもっと練らないのか。

というか、
もっとスケールの大きな問題が溢れているのに、
やっていることがせせこましい。
国内で争っている場合じゃない。
「国」がある限り、
他国ともっと上手に渡り合わなければならないのに。

------

研究者側(ビデオカメラ)が唯一の頼み。
えくすぺりめんと
24時間常に監視されていることで、
囚人たちは、「護られている」と信じられる。

反対に看守たちも、
実験中止のブザーが鳴らなければ、
自分たちの行動は規範内であると信じられる。

この、第3者の存在。
これが一番厄介。
なんだかわからない、目に見えない存在。
私たちはこの、どうしようもないほどの圧力を
この第3者から受けている。

トラヴィスは、それに気づいていた。
眼の前の敵(看守)が争いの相手ではない。
この小さな閉鎖的な世界を、
牛耳っている第3者に立ち向かわなければならない。

帰りのバスでニックスはトラヴィスに、
「これでも人間はサルから進化したと?」と言う。
私は進化してないなって思うけれど、
トラヴィスは「行動できる人間は進化した」と言う。
…これはこれは大層前向きな考えだなと思ったけれど、
不条理がまかり通ってしまう小さな世界を、
本当に支配している第3者に向けて
声を上げ、行動しなければならないんだ、ということ。

思えばニックスの考えに寄り過ぎていた私は、
半ばこの第3者の存在と、
動物的な人類に諦めていたけれど、
知能を持った上での行動をすることに、
もっと希望を持たなければならないんだなって反省した。
「諦めは簡単」だもの。
人間は進化しなければならない。

------

こうした形で
いろんなテーマがぎゅうううううっと濃縮されてた。
けして難しい話ではないし、
そして最後は思っていたより前向きで良かった。

フォレスト・ウィッテカーは今回、
結構わかり易い演技でした。
ああ、快感を覚えているんだなっていうのを
本当に眼で観てわかるようにしていた。
個人的にはもう少し内に隠してくれた方がおもしろいけれど、
抑えきれない感情と言えば、正当な理由にもなる。

観客は感情が読み取れない、
あるいは深読みしなければならない、ってことがなかったので、
全体的にわかり易い作品だった。

それでもなんですかね、フォレストの演技は。
役によっては、
黒いドロドロしたものを噴き出しながら演技してくるので、
それに襲われるような感覚が堪らない!!
この人の圧力はなんなんだろう!!!
息が詰まるよ…!!!!

でも結構良い役もするよね~。
ま、常に表面上は恐い雰囲気漂ってるんだけどね(笑)
だから優しい演技をされると、くおーってなる。

今回のバリスという役も、
なんだか、混乱の渦中にどんどん引きずり込まれてしまって、
精神的に危ない人ではあったけれど、
一概に彼だけをひたすら責めることはでいないなって思って。
彼が育った環境に、理由があるよね…。

映画レポは書けなかったけれど『スモーク』での役とか
本当に良かったです!!!
観ていておもしろい俳優だ!!!


そういった意味で同類の、
わりかし悪役っぽいポジションにいるクリフトン・コリンズ・Jr.
でも結構やっぱり良い人の役が回ってくるので
くおーっってなる。

実は映画を観たこの日の朝、
夢にクリフトン・コリンズ・Jr.が出てきました。
以前に『サンシャイン・クリーニング』や
タイガーランド』での役に感動していたので、
「実は良い人なんだよな~」という思いが頭の中に残っていたのもあり、
夢の中でも悪漢から体を張って護ってくれました。 どんな夢。

今回は実は前科者、という役だったけれど、
どうだ、良い役だったじゃないか。 勝手に誇ってる。
というか、スゴイ重要ポジションにいるんだよね、いつも。
準メインキャラが務まる名優です。
(もう一回『カポーティ』観たい。)

ついにの囚人たちの逆襲決行の時、
「もう黙ってられねぇ!」とシャツを脱いで
背中の刺青見せられた時にはウキャッってテンション上がっちゃった。
良い俳優さんだなぁもおおお。


そして先にも述べましたが、
今作の個人的ヒットマン、キャム・ギガンデット!
いやぁもうこのチェイスってやつぁ、
サイテーな男でね!
えくすぺりめんと
なんてやらしい目つきなんだと!
最近サイテー男にフラフラしちゃうよ(映画でね)。

某吸血鬼映画に出てるらしいんで、
そこでもサイテーなのかな~って
ちょっと観てみたくなったけれど、
とりあえず『バーレスク』に期待してみる!!
ぇ、もしかして歌ったり踊ったりできるの!? カンタル イ バイラル


エイドリアン・ブロディの映画は
あんまり観てないな~~って思った。
実は『歌う大捜査線』で
ロバート・ダウニー・Jr.と共演してたり

あとロバダニ繋がりで、
研究者の役を演じたフィッシャー・スティーヴンスは、
オンリー・ユー』で妻に逃げられた旦那役演じてました。
(ロバダニと共演シーンはなかったかな…)


監督・脚本は、
あの『プリズン・ブレイク』の脚本を描いた、
ポール・T・シュアリング

ドイツ映画の『es [エス]』と同じ元ネタを使ってるってことで、
知っている人にとっては結構今作、注目だったんじゃないでしょうかね。

私はまだ『es [エス]』を観てないんですが、
映画が終わった後、調子に乗った男性客が
「『es [エス]』はこれよりもっとエグいから!」って
鼻高々語ってました。
ちょっと時間をおいてから、観てみようかな。



なんだかまた長くなっちゃった。
ぐだぐだしちゃったのでこのくらいで。。。

思ったよりも易しい映画だったので、
話に聞いていた通りの、期待通りの作品でした!!
映画館でもDVDでもどちらでもOKです!


あの、看守が囚人たちを襲撃した時の、
バリスが好んで聴いてた音楽のタイトル、
なんて言うんだろう…。

知っている方いたら教えてください…。

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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画





あ、これ「es[エス]」と同じ元ネタを使った作品だったんですね。エスはインパクトを増すために、実際にはなかったことも付け加えていたと聞いたので、こちらの方が事実に近いのかな?

例によってネタバレ部分はほとんどすっ飛ばしてしまいましたが、この事件を知って、人間って状況によって簡単に理性が働かなくなってしまう生き物なんだと痛感しました。でも逆に、そういう状況を作らなければ犯罪は起こりにくくなるということですよね。
空き巣に狙われやすい家、引ったくりに遭いやすい人、そういう事を知っておくのって大切だなぁと思いました。(なんか記事へのコメントになってなくてごめんなさい・・・)
【2010/12/20 11:47】 URL | 宵乃 #-[ 編集]

esを見たときは、状況によって人ってこんなに変わるんだ、ってなかなか衝撃的でしたが、こちらもかなり興味深い感じですね。

そのうち見てみたいと思います。
【2010/12/20 12:32】 URL | keroyon #-[ 編集]

>>宵乃  さん

こんばんは!
いつもコメント本当にありがとうございます!
予想以上にネタバレ部分が長くなってしまったのに、
読んで頂いて感謝です!


そうなんですよね。
人類の長い歴史の中で、
人間がどう気持ちが動くかなんて、
当然周知の事実なのですから、
未然に防ぐことができるはずなんです!!

あ、『es』の方が、
どちらかというと色々付け加えた感じなんですか!
まぁ近々観てみたいと思います!
【2010/12/22 23:49】 URL | なるは #-[ 編集]

>>keroyon  さん

はじめまして!
コメントありがとうございます!!

あ!『es[エス]』既にご覧になってるんですね!!
『エクスペリメント』を観て、
正直もっとこう重たいものを想像してたので、
それほどではなかったです。
手堅くまとめてきた感じはしますが。

私も『es[エス]』観ます!!!
【2010/12/22 23:54】 URL | なるは #-[ 編集]

公式サイトに「esと同じもとネタ」って書いてあるので仕方ないんですけども、これ明確にリメイクです。esを観ればわかりますよん。

esの方が事実に近いです。実際のスタンフォード大学監獄実験自体がリアルに衝撃的な経過を辿ったので、事実の方がショッキングかも。
詳しくはesの感想文とこに書いてあるので興味があればどうぞー。
http://kedama7movie.blog43.fc2.com/blog-entry-331.html

くだんの曲ですがこれかしら?
FlukeのYKK
youtube⇒ http://www.youtube.com/watch?v=PnD_kLDz0lA
【2010/12/23 15:55】 URL | P #-[ 編集]

>>P さん

こちらにもコメントありがとうございます!

Pさんのこの映画の記事、
おもしろそうで後でじっくり・・・と思っていたら
先にコメント頂いてしまってすみません!

『es』の方が事実に近いんですか!!
むむむむ・・・尚更気になってきました…!!
絶対しっかり読みに行きます!!


そして、曲の方リンクありがとうございます!!
これですこれこれーーー!!
興奮して思わずtwitterで返信してしまってすみません!
かっこいいいい~
ちょっとダークな感じですけれども。
【2010/12/23 23:05】 URL | なるは #-[ 編集]















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『エクスペリメント』 The Experiment 2010年・アメリカ ドイツ映画『es エス』のリメイク。実際の心理学実験をモデルとする。  1971年に行われたアイヒマン・テストの一種、ロールプレイングを用いた... 猫の毛玉 映画館【2010/12/23 15:47】

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