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わたしを解いて。

ざ・ますたー

ザ・マスター』を観た!
原題:『The Master

出会いは突然で。
それでもマスターは、
この出会いを説明できると言った。


己の心は計り知れない。
自らしか知り得ない情報がありながらも、
真に“理解”できるのは他人だけだから。

マスターは私に手を差し伸べる。
そしてその手を、離すまいとした。


えっらい難しい映画だと
感じたのは私だけですか。

何かを理解しつつも、説明できない自分。
疑いたい一方で、肯定してしまう自分。
ホアキン・フェニックス
フィリップ・シーモア・ホフマンが演じたそのままが、
この映画の答え、だけど、それをどう文字にしろと。
酒におぼれるフレディと、教祖であるランカスターの
奇妙で強烈な惹かれ合い。
ちょっと皆さん、観てみてください。
この映画、一体何ですか。何が起こってますか。

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この映画について書くことに
気持ち的余裕がないので、
早々に予告だけ貼っつけて、
あとはネタバレとします!



ホアキン・フェニックスと、
フィリップ・シーモア・ホフマンの演技を観るだけで、
1800円の価値がある。

むしろそれ以上かもしれない。
2人の演技合戦は、ものすごいことになっていた。
エイミー・アダムスも素晴らしい演技で目を見張る。

『リンカーン』を観ていないからなんとも言えないけど・・・
いや、観なくてもわかるわ。
ホアキンがアカデミー賞主演男優賞だったろ。

常軌を逸したあの演技。
あまりにぐちゃぐちゃになった心を
怒涛のように画面中に流し込んでくるから
思わず吐き気と酷い動悸に襲われた。

共演する役者をもパニックに引きずる凄まじい演技。
フィリップ・シーモア・ホフマンだったからに、
その場に立っていられただろうけれど、
ちょっと出の役者なら、中ってぶっ倒れたろうに。

で、あるにも関わらず、
ひょうひょうと現実世界に帰ってこれるのだから
ホアキンはやっぱ、ホンモノだと思うよ。
フィリップですら「彼を恐れる」と言うだけあるよ。

しかし映画の成功はけして、
役者だけには成し得ない(例外もあるけど)。
すべては脚本の巧妙さにあるんだと思う。
監督・脚本を務めた、ポール・トーマス・アンダーソン
彼がマスターに説かせる思想は、
考え方としてとても面白くて、妙に「なるほど」と思わせる。
(偶然にも『クラウド アトラス』の物語と重なる。)
つじつまが合ってしまうと、道理に感じる。
洗脳されそうになるのを、グッと足を踏ん張って抵抗する必要がある。

あまり多くは語らない脚本だけど、
そして抽象的だったりもするけど、
展開も上手いし、思い返せば思い返すほど、
いろんなものが効果的だったなって。

てか、脚本賞にノミネートされてないんだっけか。
えーーー確かに小難しいけど、本当にすごかったじゃんよーーーー
なぜにタランティーノなんだよーー(←とばっちり)
わかり易いのばっかり好きなんだなー審査員はーー

手放しで勧められる映画ではない。
観終わった後の、
「どうしよう、果たしてわかったのか私」という或る意味絶望感。
でもなんかやばいってのは絶対的にわかる。

人が心をとらわれる瞬間。
ぜひとも、目撃してほしい。

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レビューはまだまだ続きます。お時間あればこの先もどうぞ!
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! 以下ネタバレあり !




この男を解くことが、
ざ・ますたー
自身の説に、確信をもたらす。


洗脳は目的としていない。
ざ・ますたー
得体の知れない男への、興味。探究心。
今にも破滅しそうな彼に、
手を差し伸べてみたいという好奇心。

家庭環境や、大戦での経験が、
フレディの特異な人格を生成する。


ザ・コーズという団体を率いる
“マスター”のランカスターは、
フレディのような、言葉にできない心のわだかまりを持った人間を、
あるいは人間が抱える潜在的な概念や反応を、
引き出しては解く術を考案した。
ざ・ますたー
人が無意識に抱える、心の問題。
それはすべて、“過去の人生”が原因と説く。

科学的根拠のない思想を、
批判し、攻撃する人間も多い。
しかし、彼の思想を信じ、敬愛する者もいる。


フレディは、すぐさま完治はしないものの、
心を紐解かれることの快感を覚え、
マスターに信頼を寄せるようになる。
それは飼い主に優しく撫でられることで懐く、犬のよう
心に触れてくれる者に、特別な思いを抱くことは避けられない。


突如、激情するフレディの感情。
ザ・コーズの影響力が次第に大きくなるにつれ、
フレディの存在は厄介になってくる。
しかしランカスターは彼を見捨てなかった
否、彼を手放したくなかった。

ランカスターは、マスターである。
ざ・ますたー
代表であり、父であり、模範である。
艦長は、一時でも船から下りることを許されない。

だからこそ、
感情がままに、動き回るフレディに
図らずも気持ちを寄せてしまう。
彼は羨ましい存在であり、
だからこそ、飼いならしたかった。

フレディは、ランカスターの熱心な指導のもと、
徐々に感情のコントロールができるようになってくる。
時折反発はするも、
けして飼い主の手を噛むような真似はしないフレディ。
その忠実な姿に、ランカスターはより手をかけたくなるし、
フレディの症状の緩和が表れることは、
自身の研究の成果を見いだせる。
彼は逸材だった。

しかし、どんな飼い犬も、
繋がれた鎖をちぎって自由になりたいと思うだろう。

ざ・ますたー
愛する飼い犬に繋がれるか、
誰にも制約されずに自由になるか。
どちらかを選べと言うなら、犬は自由を選択する。
それはけして、裏切りではない。
本能である。


目標を見定め、走り出した時。
ざ・ますたー
自分は何からも、縛られていないことに気づく。
そしてこれまで見失っていた目標。
その目標に向かうこと、目標を達成することはけして、
難しいことではないと知る。
結果がついてくるかどうかは、別問題であるが。
フレディは、飼い主から離れることを覚える。


呼べは、彼は戻ってくるだろう。
ざ・ますたー
しかし、愛犬は、自由を主とした。
慕いはするも、マスターの忠犬ではなくなったのだ。
首輪を捨てるのなら、飼い犬はいらない。


野良犬となったフレディは、
いつかの心の不安定さを解消し、
新たな人生を歩み始める。

マスターは、彼の手懐けを失敗したと思うだろう。
ざ・ますたー
だが、フレディにとって、
マスターの教えは永遠となる。

その怖さというか、凄さというか。
人が人に寄せる信頼とか、親愛の威力というか。
マスターはマスターなんだ、っていう。

そして同時に、
マスターにとっては愛犬が癒しであり、
唯一絶対の支配下であり、だからこそ愛しい存在だった。

ふたりは、切っても切り離せない、
強烈な感情で結ばれていたんだ。



ランカスターが、フレディを貶めようとしていないこと。
単に洗脳させたいというよりは、
自身の思想を信じ、彼を救済したいと本心から願うこと。
そこに、よくある“宗教”のイメージと重なって、身震いする。

いろんな映画レポでも語ってきたけど、
人が何を信じているかによって、
どんな行動でもし得るし、他人に影響も与え得る恐さ。

これが絶対的に正しい宗教です、ってのはあり得ない。
だのに、信者はそれが絶対的に正しいと信じてる。
だから人は争うし、
信じたくないものが蔓延ることに、嫌悪を覚える。

その影響力を思うと、ただただ恐いんだけど、
でも、今作のマスターがフレディにもたらしたこと。
“成功例”だからかもしれないけれど、
彼の心に触れる方法は、
独学で生み出した心理学にも取れるし、
免許もなく違法だったとしても、
セラピーとしては効果を成してた。
その効果信じてやまない団体を、一概に
“カルト集団”と考えるのは尚早なのかなって、思えてしまった。
現に、フレディを救っているだけに。

もはやこの時点で、
私も洗脳されているんだろうか。

絶対的に正しい教祖もいない。
やっぱりそれは、
誰かにとっては正しくみえて、
誰かにとっては正しくないようにみえる。

だからこそ、絶対的な教祖もおらず、
所詮教祖も普通の人間で、
追いつめられれば、その思想に妥協を見せたりするし、
後に引けなくなって、きちがいのように思想を強行したりする。
結局は、何においても不安で、
ましてや自分自身の思想が“教え”となれば、
自分自身の中の“揺らぎ”が一番恐ろしくて、
だからこそ熱烈に信じてくれる信者がいれば、
それが自分自身の信念になる。

誰もが熱烈に何かを信じている。
それが心の声なのか、
親から教わったことなのか、
何かの書物で読んだものなのか、
誰かからふと聞いた言葉なのか。
ほとんどが、それを、それほどまでに
確信する判断基準を忘れ、
いつの間にやら脳内に潜在している。



そこで、
この映画のタイトルが
ガッと心臓をえぐってくる。

The Master

すげーなぁ。
人間ってとっても弱くて、
頼りすぎてて、かわいそう。

こんなに信じ切っているのに、
その理由が説明できなくて、
実際どこをどう信じているのかわからないってのが、鈍い。

きっと掲題は、
“マスターを概念”とし、
姿かたちがあるものは指していないんだろうね。

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