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今日は何の、映画を観る?
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不器用で、ほまれだかき、
母なる20世紀へ。


20THCENTURY WOMEN
試写会で配布されたプレスシートはしっかりした作り!

20センチュリー・ウーマン』を観た!
原題:『20TH CENTURY WOMEN


1979年。僕はジェイミー、15歳。
55歳の母さんは、女手ひとつで僕を育てない。
より色んなものに触れて、多感である時期を過ごしてほしいそうだ。
母さんひとつの視点が、すべてではないから。

家には、改装を手伝ううちに居候することになった、ウィリアム、
部屋を間借りしている、アーティストのアビー、
そして年上の幼なじみ、ジュリーが常に出入りしている。

父親がいない僕を、母さんは案じているのだろうか。
でも母さん自身は男を作らず、
ウィリアムに父親役を一任するでもなく、
女性が多くとりまく環境を僕に与えた。

しかも、僕が知らぬ間に、
子宮がんの再発を恐れる、ちょっとパンクなアビーと、
僕が心寄せる不良少女ジュリーとに、
「僕の教育係」を頼んだのだ。

母さんはとても、おせっかいだ。

母さんは、誰に対してもオープンマインドにふるまう。
出会った人をすぐに家へ招いては、食卓をともに囲む。

でも、こうした母さんの姿は、“本当”ではないようにも思える。
僕は、母さんのことをどれだけ知っているのだろう。
母さんは本当の思いを、考えを、すべて僕に話してくれているのかな。

心を開いているように見せて、実はとても臆病ではないのかな。
すべてを受け入れることを、怖がっていないかな。

僕がいつか成長し、母さんの元を離れることを、
夢見ながらも恐れているのではないのかな。

でも、これからの、先の見えない時代に、
僕がぽつんとほうり投げられた時に、
僕が見失わないように、惑わないように、
母さんが守れる間だけ、
母さんの認知する範囲だけで、
いろいろと経験をさせたいのだと思う。

気丈にふるまう、僕の母さん。
母さんがやること、なすこと、正解も不正解もない。
やること、なすこと、僕の糧。

今、僕の心の中で活きるのは、
20世紀ウーマンのスピリット。

強くある女性。弱さをみせない女性。
一人でも生きられる女性。
「そういう時代がきたのよ」って。
でも、そんな時代も、また旧き良きものになる。
そこに、なんとも言えない美学が、あるのだと思う。


人生はビギナーズ』で、
特異な自身の人生を描いた、マイク・ミルズ監督。
75歳の実父に、「自分は実はゲイなんだ」と告白された経験をもつ。

でも彼はけして、そんな人生を悲観していない。
そして、心色あざやかな映画を作った。

彼の多様性を寛容できる心のルーツは、
20世紀ウーマンが与えた環境に、あったのかもしれない。
20センチュリー・ウーマン』は、そんな映画だ。


今回も、毎度毎度いつもいつもお世話になっている方に、
試写会に誘っていただいたのだが、
この企画自体は、ファッション雑誌『GINZA』が
女性限定で催したものだったそう。

映画本編を観れば、女性の核心を、
事細かに描いていることに気づくだろう。

なんて、女性である自分が言うことは、どこか座りが悪いのだけれど。

でも明らかに、マイク・ミルズ監督の中に、
女性的なものがあること、
あるいは女性にかなり近いところに考えをおけることがわかる。

もちろん、『人生はビギナーズ』では、
ユアン・マクレガーが演じたオリヴァーに、フォーカスしている。

そういった意味では、男女問わず、
あるいは中性的な観点で、
「もやっ」とか、「チクッ」とか、「キューッ」とかの、
繊細な感情を描くのに非常に長けているのだと思う。

数々の、女性ならではのエピソードを、
集めに集めて丁寧につむぐマイク・ミルズ監督。
心のアンテナが高いことはもちろん、
事象をただ取り込むのではなく、
“しみる”ように表現する。

それらは、観客にとって、
「共感」という形で映画に溶けこませる。

彼を、映画監督して知らしめた『サムサッカー』を観ていないために、
『人生はビギナーズ』との2作しか知らないけれど、
どこか強烈に、彼へ信頼を寄せてならない。


試写会の後、出待ちをせずに帰ろうとしたところ、
会場から出てきたマイク・ミルズ監督に鉢合わせた。

20THCENTURY WOMEN

彼の表情からも読み取れるに、優しそうな人だった。
マイク・ミルズ監督に、いろいろ尋ねたいこともあったけれど、
遭遇できたことで嬉しくて、いろいろ吹っ飛んでしまった(笑)

20THCENTURY WOMEN
この日もらったプレスシートに、サインもしてくれた!
ダコタ・ファニングに吹き出しを描いて、
私の名前まで書いてくれた!

移動時間であったにも関わらず、
丁寧に対応してくれたマイク・ミルズ監督に感謝。


こうした、ゆるいタッチのヒューマンドラマは、
作品賞にノミネートされることはあっても、
なかなか作品賞受賞には届きづらい。

でも、彼の描いた作品は、
この年の作品賞『ムーンライト』よりも普遍的で、浸透しやすいと思う。

映像としての描き方はもちろん、
マイク・ミルズ監督が書いたオリジナル脚本自体が、
その奥深さを証明している。


最後に・・・。
イベントで、マイク・ミルズ監督に質問できる時間が設けられたんだけど、
タイムオーバーで、手を挙げ損となった私。

マイク・ミルズ監督に、
「あの頃は良かったと思うのか、
今の時代は今の時代で、魅力を見出していえるのか」、聞きたかったなー。

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なににでもなれる、本当は。

ムーンライト

アカデミー賞・作品賞受賞『ムーンライト』を観た!
原題:『MOONLIGHT

細くて、小さな体のシャロン。
彼は、母親とふたりきりで、貧困地域に暮らしていた。

母親は薬物に溺れ、生活はますます厳しくなるばかり。

シャロンは家庭や学校でつまはじきにされ、次第に口数が減っていく。
自信を失い、逃げまどう日々。
助けを求めるすべも、持ち得ていなかった。

出会ったのは、麻薬を売りさばく男・ホアン。
彼も苦労して生きてきたからこそ、シャロンの境遇を理解していた。
裕福でもあるホアンは、寛大な心でシャロンを包んでいく。

しかし、シャロンの環境は、大きくは変わらなかった。
シャロンは、成長するにつれ、多くの疑問と葛藤する。

身の回りにありふれた世界は、
自分をどこまで閉じ込めるのか。


本当は、なんにでもなれるはずだった。
生まれにも、肌の色にも、性別にも、観念にもしばられないはずだった。
でも、そうはさせまいと、世界は阻んでくる。
不条理すぎて、心臓が締めつけられる。

シャロンは不器用に、社会に順応する。

ひたすら自分を押し殺して。


ブラッド・ピットがプロデューサーを務めていることもあり、
それでも夜は明ける』のイメージを引きずっていたので、
本作もどんだけ重いんだと、ビクビクしていた。

でも、恐れていた程ではなかった。
思っていたよりも、インパクトを抑え、
より繊細な描き方をしていた。
作品賞を受賞して、まさに本年度の顔!とも言うべき作品であるのに、
いい意味でとっても地味だ。
異質感もなく、単館の映画館でほそぼそと上映しそうな作品。

そういった意味では、「作品賞受賞!」と掲げて、
より多くの人の目に触れたほうがいい作品なのかもしれない。


先日も、東京でLGBTに関するイベントが開かれ、
その規模は盛大だったそうな。

今、性的マイノリティに注目が集まっている。
男が男を好きになったっていいじゃない。
女が女を好きになったっていいじゃない。
男も女も好きになったっていいじゃない。
そもそも、男も女も切り分けなくたっていいじゃない。

私も、「男だから」「女だから」と、切り分けて考えることは好きじゃない。

特に「男だから浮気するもの」、「女は受け身であるもの」などの、
個体差があるにも関わらず、偏った意見が嫌い。

生まれながらにして、生物学的に、
男女で体のつくりが違うということは認める。そりゃ当然だ。

けれど、体のつくりが、考え方をも支配しているといった見方は、
ずいぶんと頭が固いように思う。

女性は昔から月のものもあるしで、
ヒステリックに陥りやすいとするけれど、
男の人でもヒステリックはいるでしょうに。

医学的な統計や、経験則で、
全ての男がこう!女はこう!みたいな考えは、
例えあったとしても、突っ走ってほしくない
「そうとも限らない」ことを、常に念頭にあってほしい。

だから、同性も異性も問わず、人を好きになることだって、
当然あるだろうし、誰もそれを否定できない。してはいけない。

たとえ同じ家庭で育った兄弟であっても、
他人の言動や環境をどう受け止めるかに、個体差がある。

生まれながらにしてか、生きてきた過程でかはわからないけれど、
好き好きは、必ずしも兄弟どうしで共通しないことは、断言できる。


ただ一方で、その存在意義を認めようと、
わーわーしすぎているのではないかな、と思う。
わーわーすることで、特別視されがちだ。
偏見や特異性は、意識した時点で避けられない。
妥当や常識と捉えられてきた、女性が男性を好くこと、
男性が女性を好くことと同じくらいに、自然にあらねばならない。

もちろんそうとは言っても、
多くの差別を受けてきた人たちは、自然にあれない。

だからこそ、今人々は立ち上がっている。
それに共感、共鳴した人たちが、
作品にしたり、イベントを開催したりと活動している。

とは言え、
作品の評価に影響してしまっては、だめだなと思う。

「今この時、この映画を作る」は、
なるほど、プロデューサーのアンテナの賜物だし、
社会への貢献度は評価されるべきなのかもしれない。

でも、もっともっと評価されていい作品もあるはずだ。
「この時代に、この作品を選ばなくては」という、
アカデミー賞会員たちの精神的切迫が感じられてならない。
もっと芸術として、技術として、どう優れているかで判断してほしい。

サッカーのバロンドール賞も、結局は選手の知名度がモノをいう。
こういうことでは、その賞の価値まで下がってしまう。


もちろん、いい作品ではあった。
時には、胸が裂けそうなくらい、痛々しいけれど、
「映像」としては描きすぎない。
それだけでも、映画に込めた想いが伝わってくる。

差別されている。
苦しい立場に陥っている。
環境に阻まれている。

そうした心がネジ曲がってしまうような世界の中で、
人が純粋に抱き続けている、綺麗な感情。
歪んでいても、まっすぐでも、愛。
そこに、性差も格差もない、生物としての魂が宿っている。

キャスティングも、無名な俳優を選んでいる。
より、普遍的であらねばらならない作品だから。


監督は、バリー・ジェンキンス

助演男優賞を受賞したマハーシャラ・アリは、想像していたより出番は少ない。
もっと彼の演技を観たかったな。
彼の出演作は、意外に観ていた。
「どっかで観たな」と思っていたけれど。
プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』や『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』では、
どこで出ていたか記憶は定かではない。
自宅鑑賞だけど『正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官』も観たな。


まあ、やっぱり獲るなら、
ラ・ラ・ランド』であってほしかったかな~。

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